中国新聞


園児見守るITの目
山口の保育所 システム導入


■無線ICタグで到着記録/カメラで子や不審者撮影

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保護者に教わりながら、ゲートにカードをかざす子どもたち

 不審者の侵入を警告したり、保育所で遊ぶ子どもの様子をパソコンや携帯電話で見ることができたりするシステムを、山口市富田原町の湯田保育所が導入した。集積回路(IC)の内蔵カードと監視カメラを使う。大阪府内の小学校での殺傷事件などを受けて、安全・防犯対策のニーズに応えた。

 子ども百八十人全員に、非接触型の無線ICタグを配布。玄関前に設置された郵便ポスト大のゲートボックスにかざすと、パソコンのサーバーに子どもの名前や到着時刻などが記録される。

 ボックスには二基の監視カメラも取り付け、カードを持たず入ろうとする人物を自動で撮影。事務室の警告ランプが作動する仕組みだ。

 今回導入したのは、NTTマーケティングアクト山口(山口市)が開発したシステム。昨年四月から防府市内の保育園で共同実験を続け、改良した。

 保育所内には十二基の監視カメラも設置し、子どもの姿をパソコンや携帯電話を通じて見られるようにした。宮原隆史所長(61)は「大事な子どもを預かる以上、安全のための投資は必要」と、約二百万円をかけシステムを導入した。

 同市吉敷の派遣社員渡辺里恵さん(36)は「子どもの姿が職場からも見られるので安心」。一緒に来た真帆ちゃん(5つ)と優馬君(3つ)にカードの使い方を教えていた。

(2005.4.6)


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