呉市が子育て独自施策 育成部新設 医療費助成、手厚く 少子化に悩む呉市は四月から、児童福祉課を発展的解消して「子ども育成部」を新設し、就学前の育児を支援する独自の施策をスタートさせた。パソコン世代の親を対象にネット上での相談を強化したり、病気に掛かりやすい乳幼児や小学低学年の医療費助成も手厚くする。 市は昨年、七千八百人の保護者を対象に意識調査したところ、「子育てに不安」「自由な時間がなく負担が大きい」「相談相手がほしい」などの意見が大半だった。 このため、支援ヘルパー派遣や住民参加型のホームページ開設・運営、医療費や保育料の助成など、(1)子育てしやすい環境整備(2)支援ネットワークづくり(3)財政的支援の三本柱からなる行動計画を策定。今後五年間で、安心して子育てができる環境を整える。 市の二〇〇三年の出生率は一・二八で、県内平均の一・三四を下回っている。また、六歳未満の子どもがいる九千七百六世帯のうち、核家族は八千六百四十六世帯で全体のほぼ九割を占め、保護者の負担も増している。 昨年九月、幼稚園関係者や医師、ボランティアら十五人で推進協議会を発足。市は先月二十九日に協議会の提言を受けた。本年度は支援対策費などとして、約五十七億円を計上した。政策企画課の釜田宣哉課長(47)は「少子化対策は待ったなしの懸案。『呉は子育てしやすい』と、認められるよう計画を進めたい」と話している。
(2005.4.5)
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