文科相諮問 常用漢字表見直しも 中山成彬文部科学相は三十日、敬語の使い方についての指針作りと、情報化時代に対応するための常用漢字表の見直しを文化審議会(阿刀田高会長)に諮問した。国語分科会で検討し、敬語については二年後、漢字については四、五年後をめどに答申をまとめる。 中山文科相に代わって小島敏男副大臣が「敬語の必要性を多くの人が感じているが、必ずしも適切に運用されているとは言い難い」と諮問理由を説明した。 文化庁が昨年実施した日本語世論調査で、九割以上が敬語表現の必要性を認めた。また六割が二重敬語の「おっしゃられた」を「気にならない」と答えるなど、過剰敬語への抵抗感も薄くなっており、国語分科会はこうした現状を踏まえて議論する。 コンビニや居酒屋の店員らを中心に「千円からお預かりします」「お会計の方、一万円になります」といった「マニュアル敬語」も広がっており、検討対象になる。 指針には、相手や場面によって異なる用例を示した表や、間違った使用例も添えて、分かりやすくする。 常用漢字表について小島副大臣は「情報化の進む現在、漢字使用の目安として十分機能しているか検討する時期に来ている」と指摘した。 (1)主に固有名詞に使われる漢字が、現在の表に記載されていない(2)パソコンの普及で難解な漢字が使われている(3)漢字を手書きする機会が減った―などへの対応が焦点になる。 文化庁は審議会での検討に向け、今後約二年かけて漢字の使用実態を調査する。 (2005.3.31 共同通信)
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