政府の見通し3万人下回る 04年は112万人 二〇〇四年に日本で生まれた赤ちゃんは、政府が取りまとめた速報値ベースの統計で日本在住の外国人も含め百十二万〜千人だったことが二十八日、分かった。〇三年に比べ一万四千人少なく、四年連続で戦後最少記録を更新した。出生数は政府の見通しより三万人超少なく、高齢化の進展も予想を上回っている。 少子高齢化の進行が政府の予測値より速くなったことで、昨年、施行されたばかりの新年金制度や医療、介護といった社会保障制度に大きな影響を及ぼしそうだ。 一人の女性が一生に産む平均子ども数である合計特殊出生率は、〇三年に一・二九と戦後最低になったが、〇四年はさらに低下した可能性がある。 厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が〇二年一月に公表した「日本の将来推計人口」の中位推計では、〇四年の出生数を百十五万四千人と見込んでいたが、実際には三万三千人下回ったことになる。 一方、総務省が先月発表した〇四年十月一日現在の総人口は一億二千七百六十八万七千人で、中位推計を五万人強上回った。 出生数が中位推計を下回ったのに人口が同推計より多かったのは、死亡者数が百三万四千人(前年比一万三千人増)と、同推計より少なかったことが影響した。 出生数、死亡数とも政府予想より少ない状況が続いていることから、年代別人口は政府予想に比べ十四歳以下で少なく六十五歳以上では多くなっている。予想とのギャップは年を追うごとに広がっている。 〇四年の出生数から死亡者を差し引いた自然増も八万七千人で戦後最少だったが、中位推計の六万二千人よりは多かった。 将来人口推計は、政府が年金の保険料率や給付額を算定する際に用いられる重要なデータ。高位、中位、低位の推計があるが一般には中位推計が活用される。 (2005.3.29 共同通信)
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