都道府県・政令市調査 全国120人超す規模 児童虐待の対策を強化する改正児童福祉法が四月に施行されるのに合わせて、都道府県と政令指定都市の計六十一自治体の60%以上が児童相談所の児童福祉司の増員を予定し、少なくとも百二十人を超える大幅増となることが二十二日、共同通信の調査で分かった。
幼い命が奪われるたびに人員不足が叫ばれてきたが、体制改善が一定程度進む見通し。しかし四月以降、相談窓口が相談所から市町村に移ることについては、都道府県の半数以上が不安を感じており、不慣れな対応で悲劇を起こさない後方支援が課題となっている。 調査は三月半ばから二十二日にかけて、相談所を設置している全都道府県と政令指定都市(四月移行の静岡市を含む)を対象に実施した。 四月以降の増員を考えているのは六十一自治体のうち三十九(64%)。増員予定数を回答した自治体の中では、岩手県の九人が最多だった。 これまで人口当たりの福祉司数が最も少なかった岐阜県のほか、手薄だった鹿児島、富山両県も増員すると答えた。「増員予定なし」としたのは、虐待死事件を教訓にして既に手厚い人員配置をしている青森県や大阪府など六自治体。そのほかは「検討中」などだった。 四月から資格要件を緩和し一定経験のある教員や保健師、看護師らに門戸が開かれるのを受け、栃木、石川、愛媛各県など十四自治体(23%)が今後福祉司として任用していく予定とした。
(2005.3.23)
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