中国新聞


県立校で「禁煙」広がる
広島県教委調査 2.5倍、117校中87校に


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学校敷地内の完全禁煙を知らせるポスター(広島市中区の県立国泰寺高)

 校舎やグラウンドなど学校敷地内での喫煙を全面的に禁じる「完全禁煙」が、4月から広島県立学校で一段と進む。117校のうち、実施校は現在の2.5倍の87校となり、全体に占める割合は74.4%に達する見通しだ。たばこの害を生徒に教える傍ら、教職員や保護者らも喫煙を見直そう―。全校での完全禁煙に向けて、県教委も呼び掛けを強める。

 県教委によると、完全禁煙は、二〇〇三年四月に県立世羅高(世羅町)が県立学校で初めて実施し、校長判断などでこれまでに三十四校が踏み切った。四月からは五十三校が完全禁煙に切り替える予定。県教委指導第三課は「喫煙防止の教育を進める上で、学校を煙のない空間にする環境づくりが大切」と後押しする。

 県立国泰寺高(広島市中区)は〇三年八月、吸える場所を限定する分煙から完全禁煙に移行した。「禁煙」と書いたポスターを、外来者の出入りが多い事務室の前や駐車場の入り口など十カ所に掲げる。たばこを吸う男性教員(48)は「個人的に吸う自由はあるとしても、生徒の見える場所で吸うのは問題」と話す。「一服」は食事で校外に出る昼休み中に楽しむ。

 県保健医療計画は「健康ひろしま21」の行動目標として、学校施設の禁煙の徹底を掲げる。広島市や三原市など市町単位でも、学校を全面禁煙にする取り組みが広がっている。

 文化祭や体育祭で保護者らが多数来校する際の対応など「完全無煙化」する上での課題もある。しかし、県教委の桧山哲雄教育部長は「地域や保護者の同意を得ながら、残りの学校も完全禁煙を前向きに検討してほしい」と強調。校長会などで呼び掛けを強める方針だ。

(2005.3.15)


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