中国新聞


ゆとり教育見直し75%
共同電話世論調査


 現状維持派は10%

 共同通信社が実施した全国電話世論調査で、現行の学習指導要領が掲げる「ゆとり教育」について75・1%が「見直すべきだ」とした。「見直すべきでない」は10・3%にとどまり「どちらともいえない」は13・8%だった。

 見直しを求める理由は「学力が低下した」が最多。見直すべきではないとした人では「ゆとり教育の考え方は間違っていない」が過半数だった。

 中山成彬文部科学相は指導要領を全面的に見直すよう中教審に要請しており、世論の支持の高さは中教審の審議にも影響を与えそうだ。調査は五日から六日にかけて実施した。

 「見直すべきだ」と答えた人に、選択肢から理由を選んでもらうと「ゆとり教育の影響で学力が低下した」が43・1%。「学力をつけるにはある程度の『詰め込み』が必要」が29・1%、「学校でしっかり教えないと塾通いが増える」が22・4%だった。

 「見直すべきでない」の理由は「考え方は間違っていない」が56・4%、「授業の工夫や、クラスの人数を減らす方が先」が29・2%、「子どもの負担が重くなる」が5・3%だった。小中学生の子どもがいる人では「授業の工夫・クラス人数減」が60・9%に達し、具体的な教育の質の向上を求めている。

 年代別では子育て世代の三十代、四十代で見直し派がいずれも80%を超え、特に四十代の女性は87・2%に上った。見直し派が少なかったのは二十代で、68・4%だった。


調査方法 全国の有権者を対象に5、6両日、RDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施した。コンピューターで無作為に電話番号を発生させてかける電話調査法で、電話帳に番号を載せていない人も調査できる。無作為に発生させた番号のうち、実際に有権者がいる世帯にかかったのは1471件、うち1015人から回答を得た。

(2005.3.8 共同通信)


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