中国新聞


盲・ろう・養護教育に専門性
15校に療法士ら配置
新年度から広島県


 広島県教委は新年度、県立の盲・ろう・養護学校の全十五校に理学療法士や作業療法士、言語聴覚士を非常勤講師として配置する。専門的な視点から障害児教育をサポートし、規模の大きい学校では週二十時間程度、勤務する。中国地方五県では初の試みとなる。

 計画では、非常勤講師は教員とともに児童らを指導するチームティーチングを実施する。専門知識を生かしながら子どもと継続的に向き合うことで、より効果的な指導が期待できる、と県教委はみる。個々の児童らに応じた指導プランづくりにも加わってもらい、教員の専門性の向上も図る。

 具体的には、理学療法士は運動を通して子どもの体力の向上を支援。作業療法士は遊びや食事など日常生活の動きを補助用具などを使ってサポートし、感覚や運動機能の向上を図る。言語聴覚士は聴力に応じた補聴器の着用を促し、コミュニケーション能力のアップを図る。

 県教委は、二〇〇三年度以降、医療ケアに当たる看護師を非常勤講師として採用している。新年度からはさらに教育現場の専門性を高める目的で、理学療法士らを迎えることにした。

 任期はそれぞれ一年間で、講師の受け入れは〇六年度以降も継続する方針。児童・生徒数や障害に応じ、一専門職当たり週十〜一時間配置し、複数配置の学校もある。各校や県教委が講師の人選や採用人数について検討を急いでいる。

 県教委障害児教育室は「専門性を高めたきめの細かい指導で、子どもの能力や可能性を最大限に伸ばしたい」としている。

(2005.3.2)


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