広島県・県警・県教委・住民連携し目標 1年間 不審者情報を共有
広島県は新年度から、子供を犯罪から守るプロジェクトに乗り出す。県と県警、県教委が連携して不審者の情報を共有。住民団体などと子供を見守る活動を展開し、一年間で子供が被害に遭う犯罪を一割減らすことを目標に掲げる。廿日市市の女子高生殺害など未成年者を狙った凶悪犯罪が全国で相次いでいるため、立案した。こうした取り組みは全国でも珍しいという。 本年度、県と県警、県教委が進める「少年犯罪防止緊急対策プロジェクト」に次ぐ第二弾の試み。事業は(1)登下校中の児童、生徒の安全を守る(2)子供を見守る住民、事業者の自主的な活動を進める(3)学校や公園などの安全な環境を整える―などを想定している。 「減らそう犯罪」県民総ぐるみ運動で街頭パトロールを続ける住民団体にも協力を求め、専用ホームページで紹介することも検討する。不審者に関する情報をより多くの住民が共有できる仕組みをつくることも考えている。 県警によると昨年、少年が被害にあった犯罪は七千二十八件。昨年と比べ17・7%減って、三年連続の減少になった。しかし、県教委が本年度、一月末までに把握した不審者情報は二百七十五件と昨年度の一年間を既に六十八件上回っている。内訳は、声掛けが九十件、強制わいせつが五十五件、体をさわる行為二十三件、教育施設内への侵入が十四件となっている。 県環境生活部は「大阪府での教職員殺傷事件もあって住民の不安は高まっている。保護者や住民などと知恵を絞り、効果的な対策をしていきたい」としている。 (2005.2.19)
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