防府に12月開設 周産期医療(妊娠二十二週から生後七日まで)の中核を担う「総合周産期母子医療センター」の設置を検討してきた山口県は、十二月に県立中央病院(防府市)内に開設する方針を決めた。妊娠中毒症など症状の重い母親や低体重児などの治療に、二十四時間体制で当たる。 センターは、鉄筋二階建ての救急病棟に三、四階部分(延べ約千九百平方メートル)を増築。現在は別病棟に六床ある新生児集中治療室を移して九床に増やし、緊急入院した母親を治療する母体・胎児集中治療室を六床新設する。集中治療室から出た母子が入る病室も計二十七床備える。建設費は約八億三千万円。 医師、看護師ら約五十人が交代で二十四時間、新生児集中治療室で治療に当たる。二〇〇六年度はさらにスタッフを二十人余り増やす予定で、母体・胎児集中治療室も二十四時間体制に移行する。 母子の退院後も、センターの保健師が、母子の住む地域の保健所、医療機関、自治体などと連絡を取り、母子への訪問指導などを促す。県健康福祉部は「センターを核に地域が連携し、長い目で母子をフォローしていきたい」としている。 センターは周産期医療のほか、従来の不妊治療を強化し、顕微鏡を用いて受精させる設備を整える。女性の健康診断や健康相談にも応じる。 (2005.2.19)
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