中国新聞


主要教科 授業増へ
「ゆとり」見直し 文科相が中教審要請


 中山成彬文部科学相は十五日、「ゆとり教育」を掲げた学習指導要領の全面的な見直しを中央教育審議会に要請した。学力向上を重視し、休日の活用や各教科の授業時間数の配分を検討するよう求めた。(3面に関連記事)

 文科相が国語、算数、理科などの学力低下を懸念し、これまでに「総合的な学習の時間」を見直す意向も示していることから、主要教科の授業時間数を増やす方向で検討が進むとみられる。

 二〇〇二年に小中学校で導入した新指導要領は、授業時間や教科の学習内容を削減し「自ら学び、自ら考える力を養う」ことを目指して導入されたが、短期間で全面的に見直されることになり、学校現場の混乱を招きそうだ。

 総会で文科相は「世界トップレベルの学力復活」を掲げ、見直しの観点として(1)基本的な教科、特に国語や理数教育、外国語教育の改善・充実(2)夏休みなど長期休みや土曜日の活用―などを示した。中教審は今秋までに、基本的な方向をまとめる。

 文科相はゆとり教育について「理念や目標に誤りはない」としたが「狙いが十分達成されているか、必要な手だてが十分講じられているかが課題だ」と強調した。

 中教審の総会は第三期委員選任後初めてで、地方枠の委員数をめぐる文科省と地方六団体の調整がつかず、地方代表抜きの開催になった。

 会長には鳥居泰彦・慶応義塾学事顧問を、副会長にキッコーマン会長の茂木友三郎氏と大学評価・学位授与機構長の木村孟氏を選出した。

(2005.2.16 共同通信)


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