中国新聞


出雲に「夜型」認可保育所
5月開設目指し申請へ


 午後10時まで 定員20人

 夜遅くまで働く保護者の生活サイクルに配慮した「夜型」の認可保育所が、五月に出雲市のJR出雲市駅南にできる。午前十一時から午後十時まで開園、前後三時間の延長保育にも応じる予定で、同市の社会福祉法人おおつか福祉会(萬代輝正理事長)が近く県に認可申請する。認可保育所では島根県内初の試みという。

 開設するのは「ねむの木夜間保育園」。開園時間は厚生労働省が示す「夜間保育所」の設置基準に基づく設定で、市の定める通常の保育料で子どもを預かり、保育士も昼間の保育所と同じ態勢を確保する。ゼロ歳から就学前まで定員二十人。既に募集を始めている。

 施設は国、県、市の補助を受け約一億円かけて建設中。鉄骨二階建て延べ床面積三百九十平方メートル。開園時間が午前七時半から午後六時半までの「ねむの木保育園」(定員三十人)も併設する。

 核家族化や女性の社会進出に加え、深夜まで営業する飲食店やスーパーが増えるなど夜型社会が進む中、同市内では夕方以降午前一時まで延長保育を引き受ける保育所があるほか、過去には「二十四時間営業」の無認可保育所もあった。しかし、別料金がかかる延長保育では保護者の負担が重く、無認可だと採算性や保育士確保などの面で問題があったという。

 同福祉会は「夜は親元で過ごすに越したことはないが、育児のために仕事をやめたという保護者の声も聞く。夜でも安心して預けられる施設が必要」。数年前から夜間保育所の開設を市に要望していた市認可保育所(園)保護者会連合会の塚本功治会長は「看護師さんや飲食店、工場などで働く親御さんの思いは切実。モデルケースになるといい」と、広がりに期待する。おおつか保育園TEL0853(23)4384。

(2005.2.13)


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