山口県計画案 就業・育児支援に重心 山口県は、母子・父子家庭の自立や、生活の安定・向上に向けた施策を総合的に推進する基本指針となる「県母子家庭等自立促進計画」(仮称)の骨子案をまとめた。従来の経済面が中心の支援を見直して、ニーズの高い就業や子育て・生活支援の拡充を一層進めることにした。対象期間は二〇〇五〜〇七年度の三年間で、本年度中に県として初めて策定する。
母子・父子家庭は、〇二年度の県の実態調査によると、最近の離婚件数増加に伴い、一万七千八百二十世帯に上っている。五年前の一九九七年度に比べ、母子家庭が15・7%、父子家庭も0・9%増えている。 生活は、特に母子家庭で厳しく、離婚などで母子家庭になった時点の母親の就業形態は無職か、パートタイムなどの臨時雇用が合わせて67・5%に達した。年収も、百五十万円未満が39・2%を占めているうえ、養育費をもらっていないケースが八割近くに上る。 「困ったこと」では、母子家庭が生活費、仕事、子どもの世話・教育が多く、父子家庭は子どもの世話・教育、家事、生活費の順で多かった。 こうした実態を踏まえて県は、(1)相談・情報提供機能の強化(2)生活支援策の推進(3)子育て支援策の推進(4)就業支援策の充実(5)地域における協働の推進―の体系に沿って、母子・父子家庭と寡婦向けの施策を進めていく。 このうち、「地域における協働」を山口県の特徴的施策とする。地域社会全体での母子・父子家庭への理解、生活全般を幅広く支援する仕組みづくり、母子・父子家庭による地域活動への参加などを促す取り組みに力を注ぐ。 県は、十四日まで県民からの意見募集(パブリックコメント)を受け付け、年度内に策定、公表する予定にしている。 (2005.2.3)
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