広島県賃金・労務調査 介護休業ゼロ23・9% 罰則なし響く
三十人以上を雇用する広島県内の事業所のうち、14・7%が育児休業、23・9%が介護休業の制度を導入していないことが三十一日、県の賃金・労務事情調査で分かった。育児介護休業法は、すべての事業所に制度の導入を義務付けている。しかし、罰則規定がなく、事業規模が小さいほど導入比率が低い実態が明らかになった。 調査は昨年六月、常勤で三十人以上の従業員を雇用する千七百事業所を抽出して実施。七百十二事業所から回答を得た。加速する少子高齢化を受け、両制度に関する質問を初めて取り入れた。 育児休業を導入しているのは、85・3%の五百八十六社。規模別では、百人未満が76・5%▽百―二百九十九人が91・8%▽三百―九百九十九人が97・9%▽千人以上が98・1%―と、規模が大きいほど比率が高い。 業種別で全体平均を上回ったのは、情報通信業、金融・保険業、医療福祉など。下回ったのは、飲食・宿泊業、建設業、運輸業などだった。 休業中も有給となるのは、導入事業所のうち4・3%にとどまり、無給、無回答が目立った。期間は「子どもが一歳まで」が八割を占め、「三歳まで」は7%だった。制度の利用者は女性七百二十八人に対し、男性は五人だった。 一方、介護休業も規模が小さいほど導入率は低い。百人未満は64・6%で、千人以上の96・2%を大きく下回る。導入の中で有給の割合は5・2%。利用者は女性三十八人、男性十人だった。 県勤労者福祉室は「いずれの制度も法に罰則規定がなく、中小企業では労務管理が行き届かない実情もあるのでは」と分析。仕事と家庭の両立を考えるセミナーや、法を紹介する冊子などを通じて導入を促す。 (2005.2.1)
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