中国新聞


子育て 励まし10周年
広島の公立保育園長の会


 新米の親 5000人相談

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「ももくさ会」が運営する子育てサロン。頼もしい味方に、新米ママの育児不安も和らぐ=西区、古田公民館

 広島市の公立保育園の元園長でつくる「ももくさ会」(田部春子会長、60人)が育児相談ボランティアに乗り出し、今春で10周年を迎える。公民館で開く「子育てサロン」は500回を超え、延べ5000人近い新米の親を励ましてきた。

 西区の古田公民館で二十四日、月一回の「子育てサロン」に親子十四組が集まった。元園長の二人が、おもちゃで子どもの気を引き、絵本の読み聞かせに誘ったり、ひざに乗せてスキンシップを楽しんだり。遊びの仕掛けが次々に飛び出す。

 「しかり方が分からない」。心細げな母親に、メンバーが笑みを返す。「今日は楽にしんちゃい。私が抱っこしたげよう」。抱き方、声の掛け方の「お手本」をさりげなく見せる。転勤族が多い地域は、子育て仲間を求める人も多い。

 出産直後に山口県から引っ越して来た近くの主婦田中由理子さん(25)と、東京都出身の主婦野田さつきさん(25)も、サロンで知り合った。二人とも子育て初体験。野田さんは「子育てのヒントをもらえ、ここに来ると元気になる」。「ささいな悩みもしっかり受け止めてもらえる」と田中さん。

 「経験を生かし、社会貢献を」と、同会は一九九五年五月に始動。活動拠点は古田公民館から、三篠(西区)仁保(南区)戸坂(東区)の三公民館にも広がった。

 「子育て支援」の輪が広がる一方、児童虐待が表面化したこの十年。田部会長(69)=安芸区=は「若いママの味方として、子どもの心の発達を手助けしていきたい」と話している。

(2005.1.26)


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