文科省初調査 監視システムも45% 学校の安全対策進む 奈良市の女児誘拐殺人事件など、通学路や学校で子どもが被害者になる事件が相次ぐ中、全国の幼稚園と小中高校の32・7%が子どもに防犯ブザーかベルを配布または貸与していることが十四日、文部科学省が公表した初の集計で分かった。小学校は二校に一校の割合。防犯カメラやセンサーなど不審者に備えた監視システムを整備している学校は全体の45・4%だった。 本年度内に教職員を対象に防犯訓練を予定している学校は89・0%、子ども対象の訓練も85・3%に上る。学校独自の危機管理マニュアルは91・2%が作成を終える。 同省は「かなりの学校が安全対策に取り組んでいる」と評価しているが「地域によってまだ差がある」として、さらに徹底を求める。 調査は昨年三月末時点で、国公私立の幼稚園から高校までの約五万四千校を対象にした。 防犯ブザー・ベルを配布・貸与しているのは小学校52・4%、中学37・4%、高校9・3%、幼稚園6・1%。公立校の都道府県別では愛媛県が73・3%と最も高く、最も低いのは鹿児島県の9・1%だった。 中国地方は、島根が46・6%と最も高く、続いて鳥取30・4%。広島21・9%、山口22・2%、岡山22・4%だった。 警備員を配置している学校は8・0%で小学校5・9%、中学8・4%、高校14・8%、幼稚園8・5%。公立校で一人も配置していない県が七県ある一方で、大阪府が28・9%と突出して高い。大阪教育大付属池田小の校内児童殺傷事件の影響とみられる。 非常時の通報システムとして、警察・警備会社との連絡体制や非常押しボタンの教室設置、校内の緊急通話体制などを整備した学校は全体の71・2%だった。 緊急時に子どもが駆け込める店や不審者の目撃情報個所などを載せた「通学安全マップ」を作成している小学校は56・6%。年度内には83・3%が作成を終える。 (2005.1.15 共同)
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