ゲームで金銭教育 広島の母親グループ考案 子どもにお金の大切さや使い方を学ばせる「金銭教育」。必要性を痛感しながらも「どのようにすれば…」と悩む親は多い。そんな声に応えて、遊びながら小遣いの使い方を学べるゲームを、広島県の母親グループが考案。このほど東広島市などで、子どもたちを集め、ゲームの体験会を開催した。 (西村文)
東広島市の中央公民館。小学六〜一年の二十七人が、真剣な表情でさいころを振る。買い物、お手伝い、お年玉、預金、募金…。すごろくのゲーム盤に書かれた指示に従って、おもちゃのお金を使ったりもらったり。「お小遣い帳」に収支を記入しながら、白熱したゲームは進む。
この「おこづかいゲーム」を作ったのは、生協ひろしまの組合員のグループで、五十〜四十歳代の女性二十人。全員ファイナンシャルプランナーの資格を持つ。多重債務に陥る若者が多い現状に危機感を抱き、小学生を対象に金銭教育のプログラムを考えた。 「簡単にお金が借りられる世の中。子どものうちに金銭感覚を身に付けさせることが重要です」とリーダーの橋野俊子さん(51)。二カ月間、議論を重ね、楽しみながら学べるよう工夫。目指したのは「うまくお小遣いを使えるようになる」。 まず子どもたちは最初、サッカーボールや縫いぐるみなど買いたいものを決める。その目標に向かってゲームを進め、計画的にお金を使ったりためたりするコツが身に付く仕掛けにした。 東広島市立高美が丘小四年の山田紗緒里さん(10)はゲームに参加した感想を「お小遣い帳をつけると無駄遣いしないことが分かった」と話す。実際には、子どもだけで買い物に行くことは学校で禁止されていて、小遣いを使う機会はあまりないという。 母親の和子さん(47)は「親同士でもお金についての話は敬遠しがち。意識を変えて、金銭教育に取り組む必要性を実感しました」とうなずいていた。 体験会はこれまで、他に広島市や福山市、三次市など県内八カ所で開催。合わせて小学生、保護者二百四十組が参加した。橋野さんは「中学生や高校生を対象にしたプログラムも考えたい」と話している。
(2004.9.11)
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